チンチン電車の日(8.22)

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この日の由来はかなり悩んだのですが、どうも1903年(1900年?)の8月22日、東京の新橋−品川間に路面電車が走ったのを記念したもののようです。これがおそらく東京で最初のチンチン電車ということになるのでしょう。

チンチン電車は路面電車、あるいは市電ともいいます。市街を走るから市電、道路の路面を走るから路面電車というわけです。語呂合わせで6月10日が「路面電車の日」になっています。

路面電車が日本で最初に走ったのは、1890年東京上野公園で開かれた第3回内国勧業博覧会(4.01〜7.31)の会場内でした。この時、東京電灯会社がアメリカから持ってきた電車2両を会場で走らせました。この年5月4日のことです。「路面電車の日」が制定される時はこの日も候補にあがったようです。

実際に営業運転が始まったのは、京都が最初でした。

明治2年に天皇が東京に移動した時、政府は京都市民の気持ちに考慮して正式の遷都の宣言をせず「天皇が東京に滞在中は政府機能も東京に置く」というなんとも玉虫色の説明をします。この結果、現在でも法的には日本の首都は正式には京都であり、たまたま臨時に東京に移動中になっている状態です。

さて、そんな中1894年は平安京遷都1100年となりました。京都は一応そういうわけで、まだ首都であり続けている訳ですから、政府としては大きな祝賀行事をせざるを得なくなりました。そこで色々な事業に予算がつき、これを機会に京都の町は元気を取り戻すことになります。

そこで、平安神宮が建立され、時代祭が始まって、この京都に日本で最初の市電が走ることになり、更に第4回の内国勧業博覧会もここ京都で行われることになりました。

この日本最初の市電は1895年2月1日開業(京都電気鉄道株式会社)。区間は塩小路東洞院(現・京都駅前)−伏見京橋間で、電力としては琵琶湖から引いた疎水を使用していました。そばに琵琶湖という大きな電力源があったことがこの大事業を可能にしたのでしょう。

「チンチン」というのは、発車の時に車掌さんが鳴らす鐘の音を描写したもので、それにより「チンチン電車」の愛称が生まれました。

しかしこの電車は専用軌道ではなく町中を走るわけですから、こういうものに慣れていない人が電車の前方をいきなり横切ろうとしてはねられたりすることを防ぐ必要がありました。そこで当時の市電では、この電車の行く前を一人係員が走って、みんなに危険を知らせていました。

言い替えれば、当時の電車は人が走るのより遅かったというわけです。

この京都の市電は大正7年に市営に移管。その後もずっと親しまれます。そして、これを契機に他の都市でも導入の動きが出て、2番目が名古屋、3番目が東京となり、さらには大正から昭和中期にかけて、全国に広がりました。

しかし昭和30年代以降の自動車の急増は、急激な道路事情の悪化をもたらし、その非難の矛先が、道路をのんびりと走るチンチン電車に向けられるようになりました。かくしてその頃から平成に入る頃にかけ、各地のチンチン電車は廃止されていきます。発祥の地である京都の市電も1961年になくなってしまいました。

しかし、現在またチンチン電車は見直され始めています。なんといっても、ガソリンではなく電気で走る、環境にやさしい存在であることが注目されてきた訳です。このため、新規に新しいタイプのチンチン電車(LRT)の導入に向けて動き出した都市もあります。LRTは現在熊本市で運行されています。また、今年3月広島市でドイツから購入し、旧ソ連の輸送機アントノフで運んできた超低床電車も話題になっています。

近い将来、日本の大都市の市街部は、チンチン電車と電気自動車だけが走るようになりガソリン車は侵入禁止になっているかも知れません。


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